FD界では,英字で標準的に使われない文字を表示したい場面がたくさんあります。
特に私が関心を持っている東欧から中東あたりまでの文字を,標準的な英字で表記す
る方法については,パソコンを取り巻く環境の変化に応じて今後の発展はいろいろと期
待できそうですが,取りあえず現時点では何らかの割り切りの上でルールを作り表記
していくのが必要な選択と考えます。
そこで,私は現在次のようなルールを採用しています。このルールでカバーできない
ものについては,今後検討していくことにします。
各国の文字自体が違う場合(キリル文字やギリシャ文字等)の扱いは,この話題以前 の「換字法」の話として別途展開いたしますので,ここでは換字後の英字系文字をWEB やMAIL、その他でどう表現するかに絞って解説します。
基本方針としては、
◆直感的にわかりやすいもの
◆紛らわしくないもの
を考えたいと思っています。
まず,文字の上にいろいろな修飾記号がつくタイプについては不格好かもしれませんが、
以下の様に,文字の上に乗っかっていたのがズルっと右側に落ちた感じで表します。「a」の
上に「^」が乗っているのは[a>]、「a」の上に「v」が乗っているのは[a<]という
調子で表します。
これで、
ルーマニアの [a<],[a>],[i>]
ブルガリヤの [z<],[c<],[s<],[a>]
セルビヤクロアチアの [c<],[z<],[s<]
マケドニヤの [z<],[c<],[s<]
はOK。
同様に
トルコの [o:],[u:]
などできますね。
字の上のダッシュ系はこれまでもよく見られるようにアポストロフィで代用
セルビヤクロアチアの [c']
マケドニヤの [g'],[k']
文字の下の髭系はカンマで代用
ルーマニアの [s,],[t,]
トルコの [c,],[s,]
ちょいと特殊なセルビヤクロアチアのdの横棒付きは
[d~][D~]
また,トルコのyumus,ak geは,装飾部分の字体が丸みを帯びたり,とんがって
いたりまっすぐだったりする(既出の記法であらわすと[g<],[g(],[g|]など)の
で,いっそのこと発音(無音だったり長音だったり)をイメージして,
[g~]
としました。
トルコの「i」はいつも修飾をつけることにします。少しうるさい感じがしますが、大文字小文字
の扱い、点ありも点なしも英語語の「i」と区別する必要を感じるからです。
点無し [i~],[I~]
点有り [i+],[I+]
「+」で「点を付け加える」という意味です。
上記との対応で、点無しは「-」を使いたいところですがハイフォンと紛らわしいので、
代替策として「~」(チルダ)を採用。「点が飛んでいった」というイメージにもなって
います。インターネットの世界でも市民権を得てきた記号ですね。
自分で残っている課題と思っているのは,
◆アポストロフィやカンマが本当のアポストロフィやカンマと共存するときの紛らわしさ
◆上記例以外の国の文字を十分検討できていないこと
です。
以前,MLなどでいろいろ皆さんのご意見を伺いましたが,現時点では上記のような形でしば らくやっていくことにします。
改善案やいろいろな提案をお聞かせ下さい。